症例解説
肘内障(子供の肘の脱臼)
肘内障は小学生以下のお子さんに発生する肘の脱臼です。
脱臼と聞くと重症のイメージですが、比較的多くみられるケガで、 整復も慣れた先生であればすぐにできてしまう場合が多いです。
ただし、お子さんは非常に痛がり泣き止まないのですごく心配になります。
夜間や休日の場合はすぐに対応してくれる整形外科(できれば個人医)や接骨院を受診してください。
症状
痛み腕や肩を動かせなくなり、動かすと痛いので肘や手首を支えたまま泣きます。
痛みで泣いてしまい中々泣き止まない場合が多いです。
発症原因
腕を引っ張られて発生するケースが非常に多いです。まれに転倒や寝返りの際に発生するケースがあります。
病態
正常時は肘の橈骨頭(とうこつとう)にリング状に引っかかっている靱帯(輪状靭帯)が、上にズレて外れてしまい、
関節の中で骨と骨に挟まってしまう状態です。
治療
肘まで露出させ、肘と手首を掴み動かすことでズレた靱帯の位置を整復します。
予後
整復完了をしばらくすると痛みが治まり泣き止みます。腕が通常通り使えることを確認し治療終了となります。
ただし、小学校入学前後までは何度も繰り返す場合があります。
一度脱臼してしまった場合は、手を引っ張ったり鉄棒などにぶら下がるなど、脱臼しやすい事は控えるよう注意が必要です。